子どもに毎日毎日「片付けて!」と怒っていませんか?
「片付け」とは「元に戻す」こと。
使うモノが出しやすく戻しやすい状態になっていれば、子どもも簡単に元に戻すこと、
つまり片付けることができるのです。
お子さんがまだ小さい場合は、親が戻しやすい仕組みを作ってあげる必要があります。
小学生以上の自分の部屋があるお子さんなら片付けやすい状態になっているか一緒にみてあげましょう。
1.まずは一緒にやってみましょう
使うモノを出しやすく戻しやすい状態にするためには、
整理してそこに要るモノだけにして、
要らないモノ(捨てるモノ、別の場所に移動させるモノ)を取り除く必要があります。
机の上がいつも散らかっているなら、まずは戻す場所である引出しの中を整理していきます。まずよく使う引出し1段の中をすべて出して、子どもに聞きながら要るモノと要らないモノを分けていきます。
この時に注意したいのが、子どもが要らないと言っているのに、親が「まだ使える」「いつか使うかも」「高かったのに」と口を出すと、親の価値観を子どもに押し付けることになります。
子どもの判断で決めたことはなるべくそのまま受け入れてみましょう。
どうしても残してほしいモノを要らないと言われた場合は、なぜ要らないと判断したのかを聞いて何となく納得できない理由であれば、なぜ置いておくべきかをきちんと説明して残すようにしましょう。
年齢は関係なく、きちんと理由を聞いたり説明したりすることで自分が納得した判断が出来るようになります。
この時に子どもが「全部要る!」と言う場合は、よく使うモノは右、それ以外のモノは左というように分けていくようにします。
片付けはこの判断の繰り返しで行っていくものなので、要ると言われたから全部一緒に置いておくのではなく、ひとまず分けることを一緒に行います。次回の見直しの際に、あまり使わないけれど残したモノを再度本当に置いておきたいか聞くと案外あっさりもう要らないと言ったりするものです。
2.片付けの効果を実感してもらう。
要るモノと要らないモノを分けたら、要るモノだけを引出しの中に戻していきます。要らないモノが混在していた時と比べると、使いたいモノを探さずすぐに取り出せて戻せる状態になっていると思います。
文房具など細かいモノの場合は引出しを上から見てアイテムが分かるように仕切りをすれば、同じものを買ってしまったり、買ってしまったばかりにモノが増えたりといった悪循環を防ぐことにもなります。
あるはずのモノが見当たらないから仕方なくであってもすぐに買っていたのであれば、子どもはどうせなくしてもまた買えばいいといった安易な考えを持ってしまう場合があります。そうなるとやはりモノを大切に使い切ることは出来ません。
片付けをすれば、
探し物で無駄な時間をなくして好きなことをする時間が増える、
無駄買いをしない分好きなモノを買える、
イライラしなくて済むから楽しい気持ちでいられる、
といったメリットを子ども自身に実感してもらうことで
片付け=気分のいいことになっていきます。
習慣になるまでは時々声掛けをして、なかなか一人で出来なければ、要るモノ要らないモノを分ける作業を一緒にやってあげるといったことを繰り返します。
子どもがやらないからと親が片付けてあげていると、片付いている状態=気分のいいこと、片付ける行為=嫌なことだからやらない、となって自分で片付けはしないけれど、片付いていないとイライラするようになってしまいます。
3.ゾーンを分ける。
子供部屋には学校のモノ、塾・習い事のモノ、遊びのモノといったたくさんのモノがあります。
人は目から入る情報が多いとすぐに集中力が途切れてしまいます。
集中して勉強するには机に座った状態からは遊びのモノが目に入らないレイアウトにして、勉強するゾーンと遊びのゾーンを背中合わせにするなどの工夫が必要です。
勉強ゾーンの中でも、学校のモノと塾・習い事のモノを分けることで、子ども自身がどこに何があるか把握できて自分で準備がしやすくなります。
また、学校から帰ってきてランドセルをどこかに置きっぱなしにしてしまう場合は、置き場所が子どもに合っていないのかもしれません。
部屋に置くのであればなるべく部屋の手前に置き場所を作ります。
毎日わざわざ部屋の奥まで入って置くのは大人でも面倒くさいものです。
学校から帰ってきた時の子どもの動線を考えて、どこなら戻しやすいか子どもに聞きながら置き場所を決めてみてはいかがでしょうか。
今のうちにフォローをして片付けの判断を繰り返すことで、子どもが何事もきちんと判断が出来るようになります。
忙しくても自立の手助けだと思って寄り添っていただきたいと思います。
Ohisamaサービス
整理収納アドバイザー
岡谷麻紀子